-
2021.03.18
小中学校への「和菓子の出張授業」<3月実施校>
東京和菓子協会では、〝和菓子の啓発と業界活性化プロジェクト〟の一環として都内の小中学校にお呼びかけをして、和菓子の歴史や文化性、創作性を知ってもらい、和菓子を製造する過程を見て、持参した和菓子を食べてもらう「和菓子の出張授業」を開催しています。
3月には以下の学校の協力を得て出張授業を実施致しました。3月5日に大田区立御園中学校において実施されました。
講師は、大田区・和菓子処清野の黒田清美氏。
始めの1時限目はテキストを配布して和菓子のお話を聞いていただき、その後休憩時間を挟んで、2時限目は製造実演をしました。
興味深そうにスクリーン上に映る手さばきを見つめる生徒さん達からは、煉切が出来上がるたびに拍手が沸くなど、先生方を含め皆さんに大変喜んで頂いた出張授業となりました。また、質問の時間には「餡に色を付けるのはどうやるのですか?」「和菓子を作る時はどんな気持ちで作っているのですか?」「何を作る時が一番好きですか?」などがあり、講師も真剣に答えていました。
コロナ禍で学校の方針によりその場での試食が出来ないということでしたので、お家で召し上がって頂けるように講師が事前に準備した煉切をおみやげとしてお持ち帰り頂きました。
3月9日に佼成学園女子中学校において実施されました。
講師は、世田谷区・やまと家の太田博文氏。
配布したテキストに沿って和菓子の歴史・文化についてのお話や、講師がアメリカで披露した和菓子作りの体験談などに生徒さん達は真剣に耳を傾けていました。その後の製造実演では、講師が手際よく餡を包む様子やヘラなどを使って色々な花などを作り上げていく様子を見て頂いたあと、生徒の代表として2名の方が講師の指導により和菓子づくりに挑戦しました。製造体験をした生徒さんは、出来上がった和菓子を見ながら「思ったより餡がやわらかく難しかった」と感想を話してくれました。
質問の時間には「(鶴の木型を使って煉切を作ったことに対して)木型は自分で作るのですか?」「テキストの表紙の下にある(葛桜の写真)お菓子の周りはどうやって作るのですか?」「家で作れる和菓子があったら教えてください」などの様々な質問に講師も真剣に答えていました。
3月10日に清瀬市立清瀬第四中学校において実施されました。
講師は、東村山市・餅萬の深井駿氏。
テキストに沿って講師による和菓子の話が行われている間に、餅萬のベテラン職人さんによる〝はさみ菊〟2品が製造され、話の切れ目ごとに途中経過を後方のスクリーンに映し出すなど、興味を掻き立てる授業となりました。休憩後の製造実演では、スクリーンでは分かりにくいこともあり、6グループに分かれて職人さんのテーブル前に集まり、手際よく煉切が仕上がっていく様子を見て頂きました。
「修学旅行もままならない現状で、良い経験ができました。」との担当の先生からのお話に、協会としてもお役に立てて大変嬉しいことでした。
3月12日に世田谷区立千歳小学校において実施されました。
講師は、世田谷区・亀屋の舘野貞俊氏。
1時限目の講義の時間には、配布したテキストの補助として、講師がさらにわかりやすくまとめたものをスクリーンに映し出しながら説明しました。休憩時間の後の製造実演では、講師が感覚で同量ずつに切り分けた餡や生地を秤に乗せ、ほぼ同じ重さになる様子や、餡が生地に包まれていく様子をスクリーンで見て頂くと、生徒さん達からは拍手や歓声が上がりました。質問のコーナーでは「仕事を覚える苦労や仕事していくときの苦労」や「和菓子は家でもつくれますか」など積極的な質問がありました。
※本事業は、今まで和菓子を食べたことのなかった子供さん達に和菓子の魅力に触れて頂けたこと、また、日頃から食べている子供さん達には「どら焼き」や「だんご」「まんじゅう」等にも歴史があると知ってもらえたことで、今後の和菓子の発展に充分寄与出来たことと感じています。