ホーム選・和菓子職「和菓子職」と名付けた趣意

選・和菓子職

「和菓子職」と名付けた趣意

その仕事を表す言葉として名称は大切である。 和菓子づくりの専門家としての呼称には、様々な表現が考えられるが、慎重に検討した結果、以下により『和菓子職』と言う言葉が適切と判断した。

「和菓子製造技術者」という表現は適切であるが、歴史を感じられないもので、日本の伝統的食文化『和菓子』にはふさわしくない。

「匠」とはよく使われるが、この字は匚(さしがね)と斤(おの)から成り立つもので、本来は大工などを意味する言葉である。
又、最近は「匠」という言葉が氾濫していることから、誤用を避ける意味もあり、ふさわしくないと判断した。

その他には「司」などの言葉もあるが、役所や事を司るという意味が強く、技術者を表す言葉としては不適当と判断された。
本来ならば「和菓子職人」という言葉が使い慣れていることもあって良い。「職人」とは「熟練した技術を身につけ、物を製作加工する人」であり適切だが、最近では「職人」が「頑固、粗野、偏狭」という連想と結びつく形で用いられる事が多く、誤認の恐れを禁じえない。

そうしたことから、職業を的確に表し、且つ江戸時代などから使われている歴史があり、その道で一人前の職人を「飾り職」「仕立て職」などと呼ぶ事例もあることから、伝統的な和菓子につながるものとして『和菓子職』という呼称を採用することにしたものである。

「和菓子職」と名付けた趣意

ページの先頭へ